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「そうですね……まずは、私たちがC区へ向かって、説得と協力を仰ぎます。そして、アンジェたちを修理してもらいましょう」
晴美さんがみんなを説得すると、
「でも、晴美さん。危険がかなりあると思う……」
夜鶴が制した。
僕の肌になじんだマカロフは重犯罪刑務所で、取り上げられてしまった。新しい銃が必要だろう。
僕が島田に声をかけて頼もうとしたら、
「いいえ。銃は必要ではありません」
晴美さんが厳しい声を発した。
「では、A区の人たちと河守さんたちはここで待っててください。私たちだけで行きます」
晴美さんがそう言うと、羽田の運転する黒のベンツに乗った。
C区へと着くと、晴美さんは工場を目指した。
昼間の太陽のもと。
巨大な会社が見えた。
アンドロイド製造業を受け持つC区で有数の大企業だ。そこで、搬送したアンジェたちの修理を頼んだ。
相手はにこやかにしているが、ひどい緊張を隠しているようだった。
それもそのはず、こちらの戦力は大半がアンジェたちだ。
しばらく、受付で社長らしき人物と晴美さんは夜鶴の傍で話していた。
社長らしい人物は緊張を隠して、大きく頷いてくれた。
これで、アンジェたちも大丈夫だろう。
後は晴美さんの暗殺を阻止すれば。
でも、きっとだ。……そう、きっとだ…………。
「そういえば、晴美さんは何故、スリー・C・バックアップの政策を可決したのかな?」
車中。
僕は晴美さんに聞いた。
「実は……スリー・C・バックアップは、ノウハウを老人の介護が出来るプログラムをアップデートし、ノウハウを介護福祉に大量導入をするだけではなかったのです……」
「え……?」
僕は聞き返した。
「雷蔵さん……。あなたの父親が介護を必要とした場合……どうします?」
「僕の父はもう死んでしまった……。けれど、確かに人に頼むか。それが無理ならアンドロイドを雇うだろう」
晴美さんは悲しく笑って、
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