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アンジェは長く赤いスカーフを首に巻いてあって、短い茶髪で小さい顔が印象的なアンドロイドだ。マルカは大きな黄色のリボンをした長髪で黒毛だ。高身長のヨハはブルーのショートカットで、緑のスカーフをネクタイのように首から下げている。
みんな20歳くらいの年齢の容姿だ。
「また~。いつもの~お肉ですか~」
ヨハが間延びした甘ったるい声を発した。
輸送中の事故で修理を頼んだら頭部だけは、規格外だった。
「ああ。それと食後に、僕の部屋にいつものジントニックを持ってきてくれ」
「かしこ~まりました~」
ヨハたちがキッチンへと向かう。
僕はキッチンルームから56階の寝室へ私用のエレベーターで行くと、ライトグレーの広いクローゼットへと向かった。そこで、スーツを脱いでナイトガウンに着替えると、今度はまたエレベーターに乗って46階へと行く。
そこは45畳の広さの大浴場だ。
だけど、僕はバスルームと呼んでいた。
中央にお湯を吐き出す口がたくさんある大きなキメラの石像。大理石の様々な浴槽にはお湯が張ってあり、華々しい香りを室内一杯に放っている。
僕はそこで裸になると、一日の疲れをとった。
しばらく、お湯につかっていると室内に甘ったるい声が響いた。
「雷蔵様~。ハンバーグステーキができました~」
階下のヨハの声だ。
三人のアンドロイドには色々な機器が内臓されていて、その一つに僕の家の全室内のスピーカーに音声を出力することができる機能がある。
僕はバスルームからでると、冷たいシャワーを浴びた。
再びエレベーターに乗るとキッチンのある34階へと降下する。
機能的で大きなキッチンはその他の階にもあるにはあるが、僕はいつもは34階を使っていた。
機能美のある広いキッチンで一人で食事をしていると、
「たまには、お野菜を取りませんと……」
アンドロイドのリーダー、アンジェが心配そうに僕の顔を見つめていた。
「そうですよ。毎日お肉だけでは……。お野菜を取らないとお体に悪いですよ」
マルカも不安気な声を発した。
「僕はあまり野菜は食べない」
「そんな~。体に~~悪いですよ~~」
ヨハも心配してくれた。
多量のビタミン剤を飲んで食事を終えると、後はエレベーターに乗って56階の寝室へと行く。パソコンを立ち上げて、ジントニックを飲みながら、仕事と雑用を片付けて就寝。
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