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河守は大喜びで、色々な食材の入ったチーズとトリュフのサラダ。フランス直輸入のオレンジジュース。1グラム5万円のキャビアと、100年もののボートワイン。300グラムの松坂牛のステーキ。松茸のスープ。フランスから取り寄せたフォアグラ。ウミガメのスープなどを見つめていた。
「こんな……凄い……。凄く高い料理なんて今まで見たこともなかったわよ。いつも、給料の大半は貯金していたから……本当にありがとう。雷蔵さん」
「……ふふ」
僕はいつものジントニックを頼んだ。
B区では大規模なノウハウによる都市開発プロジェクトで、酔っても事故が起きない道路が整備され、飲酒運転は注意されるだけなのだ。
食後は少し運動しようと、河守が歩きたいと言った。
云話事シーサイドホテルの周辺には公園がある。
云話事ビバリーヒルズ公園。
その名のとうりに丘の上にあるB区を一望できる公園だ。
「ねえ。あそこの星。手が届きそう……」
河守が満点の夜空を彩る星々に手をさし向けていた。
「さすがに僕でも、金で買えないな……」
僕は酔い覚ましに夜風を受けていた。
「雷蔵さん……あなたと会えて……よかった」
河守が僕に軽くキスをした。
「さあ、軽く運動して日本を救いましょ!!」
僕たちは子供用の滑り台に競って乗り出した。
河守と遊んでいたら。あっという間に一週間が過ぎていた。
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