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「いやー、凄いレースだね」
原田はお調子者特有に笑った。
島田と田場は興田 道助チームに殴り込みをしようかと考えていた。
「さあ、殺しに行こう!!」
田場は島田を連れて、マルカのマシンピストルとアンジェの持つサブマシンガンを手に手に取った。
僕は島田と田場に「大丈夫だよ」と言った。
河守の肩に手を置いて、それからすっきりした気持ちで九尾の狐にも微笑んだ。
僕の心の中では日本の将来はもう決まっていた。
そう。より良き人間性を得た国。日本だ。
流谷は必死にペンズオイルニスモ GT―Rを追い抜こうと、10tトラックの間をかいくぐりコーナーからスローイン・ファストアウトをした。ペンズオイルニスモ GT-Rも負けずにコーナリングスピードを限界まで振り絞る。
お互いのマシンが悲鳴に似た咆哮を発した。
角竹は歯を食いしばり、
「興田くん。道助くん。何としても勝つんだ。人間性より未来の方が重要だ!!」
老いた角竹は作業班にも怒鳴った。この試合で勝てば、間違いなくノウハウの援助や介護を受ける余生を受け入れなければならない。
人と余り関われず、せいぜい乏しい感情を持て余して、日に日に衰退する体と心を自分自身で慰めなければならない。
「社長。慎ましやかな余生をお送りしてください」
興田は頭を下げると、満川の方に向いた。満川は技術班に言った。
「相手を殺すのよ」
「あれ? 流谷選手の車に、後方からの10tトラックがぶつけてきましたね」
竹友は真っ青になった。
「ええ……。それもかなり攻撃的です……」
「試合はどうなるのでしょう?」
斉藤はストップウオッチを見ると、
「今から何かが起きますよ……」
津田沼は350キロの速さの中。流谷の車に後続の10tトラックがまるで、車の上を車が走るように巻き込んだ様を見て、真っ赤になった。
「ちくしょー!! 夜っちゃん見ててくれ!!」
津田沼はアクセルを踏み切り、ノウハウの10tトラックを全力で追い抜こうとした。しかし、10tトラックはこちらに寄って来て、津田沼の車にクラッシュをしてきた。
「あ、津田沼選手は周りの車を巻き込んでスピンをした!!」
竹友は震えた声を振り絞った。
「あ、駄目だ!!」
斉藤は目の前の悲惨な惨劇を予想した。
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