第1章

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 そんなこんなで、漫才自体は上手く出来上がったと思った。しかし、反響はあまりに悪くその中でも特に多かったのは。  ”ブスと言う言葉が多い”と言う御婦人方のクレームだった。何でも子どもの教育に悪いらしい。  だったら見なければいいのにと思う二人だったが、アプリ会社はそういった方々には逆らえないようで。  たった一通のメールで終わりだった。  ”当アプリをいつもお使い頂き有難うございます。しかし今回限りで貴方方のお名前を削除させて頂きます。あしからずご了承ください”  と言う物だった。  私たち二人は、一つの野心を失い、羞恥心や個人情報さえ失ったのに与えられた物は失望感だけだった。  と思いきや案外タフな二人である。何処かでプロとしての芸人の道を今でも模索しているかもしれない。  そして作者が最後まで忘れた物は主人公の名前を考えるであった事は言うまでもない。
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