四月一日 月曜日

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 山保は理央の質問に肩を竦めて答えた。 「単純に、処理件数を、だね」  相変わらずその目は前方の、おそらく、チームGOを見ている。さながら敵の様子を物陰から監視しつつ作戦を立てるサバイバルゲームのように。 「チームAは東京の西部地区、チームGOは東京の東部地区をそれぞれ担当してる。チームの人数は四人、四人でおんなじ。あ、七海の席には、三月末までハケンさんがいたんだ」 「ハケンさん……」 「派遣社員ね。正社員で一人、長期休暇をとってる人がいて、その補充要員として二年くらい」 「じゃあ営業監査室にはもうひとり、先輩がいるんですね?」 「そう」  俺のチューターだった人、と言って山保は離れていった。机上の向こう端に置いてあったファイルボックスからプリントを二枚取り出し、また椅子を寄せてきて理央のデスクに並べる。 「これ、明日の朝礼で使うやつ。こっちは経営理念で、こっちは朝礼用のカレンダー。その日の朝礼で何をするかが書いてある」 「ありがとうございます」 「ああ、綴じるファイルが無いか。こっち来て」
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