四月二日 火曜日

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 理央と山保は軽く会釈をして入り口に近いチームGOの二つの島々を通過し、自分たちの島まで辿り着く。仙太係長と神月はすでに来ている。 「昨日言い忘れてた。出勤簿はこっちな。印鑑持って」  室長席と室長代理席の間のスチールワゴンの上に、年季の入った黒い紐綴じの帳簿が乗っている。 「八時半の始業までに押さないと遅刻だから」  帳簿の横に飛び出たインデックスには、それぞれの社員の苗字が入っている。〝七海〟のページを捲り、理央は四月二日の欄に印を押す。週明けの四月八日の欄には〝研修〟と書かれ、次の日以降ずっと矢印が伸びている。
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