『誰にも言えない秘密の趣味』で、みんにゃ幸せにゃん!

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「ミーにゃん……。実はにゃ。ウチには『誰にもいえない秘密の趣味』があるのにゃよ」 「あのね、ミアン。いくら『いえない』からって……、  厚さ二ミリぐらいの白い、……ええと、プラかなぁ……、長四角のプレートを用意して、  でもって、ど真ん中に、せっせ、せっせ、と黒ペンで書き込んで、  プレートの上のほう、左端と右端にそれぞれドリルで一つずつ穴を開けて、  それから白い紐を通して、紐の両端には外れないように結び目をつけて、  そして……、『これで完成にゃあ!』と喜び勇んで、  颯爽と紐の真ん中部分を首にかけて、ぶら下げて、  全身が映る鏡で、自分の姿にほれぼれとしなくてもいいと思うわん」 「良ぉく知っているのにゃあ 精霊の間には誰も居にゃかったのにぃ」 「えへん。アタシはイオラの木に咲く花の妖精。でもってミアンの大大大の親友だわん。  ミアンのことなら全てお見通しだわん」 「すごいにゃあ。……で? 本当はどこに居たのにゃ?」 「ふふっ。ミアンの頭の上。左右の耳の間よ。  両腕の肘を突いて両手で、あごを支えて、  足の膝ぐらいまでは毛並みの上にべったり。  でもって、膝から下は、まるで泳ぐように、ばたばた、させていたわん」 「そうにゃの? 全然、気がつかにゃったにゃあ」 「かなり集中していたみたいだからね。無理もないわん。  でも三時間は長すぎたわん。今度作るときは二時間ぐらいにしてね」 「ええと……、ずうぅっ、と見ていたのにゃん?」 「もちろん。アタシはミアンの親友。当ったり前だわん。  いざとなれば、十日だろうが、百日だろうが」 「さすがはミーにゃん。頭が下がるのにゃあ。  ああでも、無理はしてはいけにゃいのにゃよぉ」 「うん。判っているわん」 「ところで、と。ウチは造っている間、ちょっと疑問に思ったことがあったのにゃよ」 「疑問? なにわん?」 「応募のタイトルにゃ。『誰にもいえない秘密の趣味』ってあるのにゃけれども」 「ふむふむ」 「元々、『秘密』って誰にもいわにゃいもんにゃろう?」 「まぁそうね。いったら、その時点で秘密じゃなくなるわん」 「にゃったら、『秘密の趣味』でいいじゃにゃいか。  にゃんで、『誰にもいえない』と、わざわざつける必要があったのにゃろうか?」
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