第1章

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この日以来、健一は夏休みに田舎へは帰っていません。 あの後、必死に祖父母の下へと戻った健一は誠が川を覗いたことを大人達に教えました。 大人達は慌てて誠を迎えに行き、健一は誠に会うことなくすぐに自宅へと連れ戻されたのです。 あれは一体何だったのか、誠はどうなってしまったのか? それは未だに分からない事ですが、最近になって分かった事が二つあります。 一つ目は、誠の夏休みはもう永遠に来ない事………。 そして、もう一つは最近水面を覗くと、黒い影が見えるのです。 最初は小さかった影、それはだんだんとナニカの形を形成しているようで、健一はそれがとても恐ろしいのです。 だって、もしそのナニカの形が出来上がってしまったら………今度は健一の夏休みが永遠に来ないことになってしまいそうですから………。 あの日の夏は、もう二度と帰ってこない………。 おしまい。
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