本編

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 むっと顔を顰めると先輩は笑った。  くしゃりとしたあどけない、笑顔。  その武器で今まで何人のおんなのひとを落としてきたんだろう。  ーーー 考えて、やめた。 「意外と保守的なんですね」 「君が予想外過ぎるの」  そんなことないと思います、と言うと「そうなんです」とやんわり言い返される。  むむむ。 「じゃあ、常識人の先輩がそう言うならそうなのかもしれません」 「ちょっと待って、君の中で俺は常識人枠なの?」 「ストライクど真ん中で常識人です」 「なぜだろう。全然、嬉しくない」 「褒めてます」 「嬉しくない」
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