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「我儘、ってこれ?」
「はい」
そう頷く私の右手にある苺と生クリームとカスタードがたっぷりと包まれているクレープ、ストロベリースペシャル(クリーム多め)を指差す先輩。
「別れの餞別です」
「餞別って、俺がもらうほうじゃないの?」
「ほっぺたが落ちるくらい美味しいです。先輩、ありがとうございます」
「うん、もうなんでもいいや」
そう彼は諦めたように息を吐き出すと左手の缶コーヒーに口をつける。
ーーー 告白、するのはやめた。
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