愛してる。

5/33
前へ
/33ページ
次へ
「まこと~‼まさと~‼」 教室でサチが大きな声で呼ぶと… 「なにぃ~‼」 「なにぃ~‼」 オカマの双子がやって来た。 決してきれいな顔ではない。決してスマートではない。どちらかと言えば"ぽっちゃり"だが愛嬌のある兄弟である事は確かだが、なんせ男なのに言葉づかいも仕草も性格も、女の子そのもの。だから小さい頃はよくイジメにあっていた。サチはなんか双子とは気が合って、よく助けてあげた。そのうち双子は学校でそれなりに認知されてイジメられる事もなくなった。双子は感謝しているがサチは忘れている。ただ仲のいい遊び友達だ。 「明後日の日曜日、みんなで葡萄島に行くから、あんたたちもついて来てくれない。」 「や~ん‼面白そう~‼」 「行く行く~‼絶対行く~‼」 「良かった~‼じゃあ今日は色々準備があるからね。買い物に付き合ってね。」 「わかった~‼」 「わかった~‼」 「じゃあ。あとでね。」 サチは葡萄島の事を調べた。信じられないがゾンビみたいなモノがいるらしい。だけど、簡単なルールを守れば、さほど危険な事でもないようだ。無人島なのでゾンビの餌がない。もう、ほとんど干からびているらしい最後の一体だけがご本尊の横に安置されているらしい。身を守る術も書いてあった。万が一咬まれた時に飲む薬の作り方も書いてあった。スーパーと薬局で揃うものばっかりだ。 サチに名案が浮かんだ――
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加