愛してる。

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「ええ~神隠し島と葡萄島ってこんなに近いの?」 まさとが驚く 「そうだよ。遠くから見るとこの小さい葡萄島がなくなって、神隠し島だけに見えるの。島が神隠しにあったように見えるの。だから神隠し島なんだ。」 「へぇ~なるほどね。流石は漁師の家の子ねぇ。じゃあ葡萄島は~?」 今度はまこと 「わからないけど、なんか宗教的な意味があるとか…サチの方が詳しいんじゃないの?」 「知らなーい。」 「キャー❗砂浜よ~❗」 武志は潮溜まりの小さな岩場に船をつけた 「着いたよ。一応言っておく。潮が上がって来るからできるだけ明るい内に、できるだけ高いところにテントを張る事。これは漁師仲間に伝わる話だけど、そうしないと帰って来られない島なんだってこの島は。船をどうしても今日中に戻さないとならないから送り迎えだけはするけど、僕は島には降りられないからね。」 「そんなこと言って、ほんとは怖いんでしょ武志?」 「やめといた方がいいよ。この島は…戻るなら今のうちだよ。」 「わかったわ。明日必ず迎えに来てよ。」 「ああ。」 俺たち5人は葡萄島に降りたった。美由紀とサチとまさととまこと、食料とキャンピングセットを持って… 「じゃ、気をつけてな!」 武志の船はあっという間に遠ざかった。 「船がいなくなると心細いものね。」 美由紀が誰とはなしに呟いた。
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