愛してる。

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「ここよ。」 海岸から生い茂る木々の中を20分ほど登ってきた。樹齢数百年はあるであろう。杉の大木の前だ。 「えー、祠は頂上なんじゃないの?」と俺が聞くと 「いいから付いてきて!!」杉の周りは雑草と苔の生えた根っこで歩き辛い。それでも、杉の外周を歩いて行くと、大木に隠れるように洞窟がある。洞窟は赤茶けた鉄格子で塞がれチェーンには万年鍵と鉄格子にも鍵穴がある。 サチはリュックのポケットから鍵を取りだし、扉を開ける。 「みんな早く入って!!」 「何、ここ秘密基地?」 ちゃかすまさとに 「いいから、早く!あとでちゃんと説明するから!みんなも急いで。」 「はーい。」 サチはリュックの別のポケットから懐中電灯を俺に渡す。 「悪いけど手元を照らしてちょうだい。」 みんなが入ったのを確認して、頑丈そうな鉄格子の扉に鍵をかけた。
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