episode3

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彼女の小さな歩幅に合わせてゆっくりと歩きながら、簡単に城内の説明をしつつ、彼女を観察していた 部屋の場所など覚えようとキョロキョロと忙しそうに目を動かし、俺の説明を真剣に聞いていた あまり一気に教えるのは病み上がりの彼女にはよくないと思い、適当に説明を切り上げると医局室からすぐ近くにある中庭に案内した 空は快晴 緑の芝、季節の花が咲き乱れ 心地よい風が吹き抜ける 医局室の近くだけあって、あまり人が通らない そこは俺が息抜きにこっそり訪れる場所だ 彼女がゆっくり息をはくのが聞こえた 目が覚めてからずっと気を張っていたのは知っていた あまり眠れていないのも医局長から聞いていた だが、そうなるのも仕方あるまい…
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