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「うん。無理じゃないよ。好きで見てんの」
圭介が聖志を見上げ微笑むと、スッと聖志の右手が圭介の頬に伸びた。右手を頬へ添え、圭介へ顔を寄せる。
圭介は軽く顔を傾け、その唇へそっと唇を重ねた。
「仕事大丈夫だった?」
「うん。大丈夫。もうだいぶんいいよ」
「そっか。あのさ……」
聖志は圭介の横へ座わると、何か言いたげな様子を見せた。珍しく口ごもっている。若干緊張したように筋肉を強張らせ、ほんのり色づいてる頬は、どうやら暗い話題ではなさそうだ。
なんだろ……照れてる……のか?
言いよどむ聖志に、圭介は助け舟を出した。
「なに、どうしたの?」
「……うん。今さ、圭介んちで寝泊りしてるだろ? 心配だからって理由もあるけどさ……でも、それとは関係なく、一緒に居られる時間を増やしたいんだ。だから……」
「あぁ。いいよ。引っ越しておいでよ」
「えっ!」
「え! って、何? 付き合ってるわけだし、いっそのことってヤツでしょ?」
当然だと言わんばかりに言い放つ圭介。その態度に聖志は不満そうに下唇を突き出した。
「俺が言いたかったのに……」
完全に拗ねモードに入ってしまった聖志。
「あはは、ごめんごめん。うん。じゃぁ……仕切り直しね。お願いします」
圭介は明るく笑って謝罪し、背筋を伸ばしながら、恋人の可愛らしさを噛み締めるように頷いた。さらに聖志の方へ体を向け、手を取りキュッと握る。
愛しい想いを込め聖志へ微笑み、その整った顔を見つめた。
「もういいよー」
「拗ね聖だ。もー可愛いなぁ~。愛してるよ」
圭介は握った手を引き寄せ、ムッと尖らせている唇に口付けた。聖志は直ぐに機嫌を直し、キスを返してくる。離した唇の代わりに、鼻の頭をスリスリと擦り合わせ二人で微笑み合う。
二人は幸せを胸いっぱいに感じていた。
聖志は圭介をギュウと力強く抱きしめ、そっと囁くように言った。
「一緒に暮らそう」
「うん」
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