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まさか
九条のご両親主催のパーティーだったなんて――。
「あなた妻がありながらどうして」
九条のお母様が涙声で息子をとがめる。
だけど
まずいことの後には
もっとまずいことが起こる。
トラブルメーカーの鉄則さ。
「こちらの大胆なお嬢さんは?紹介してもらおうか?」
九条のお父様は苛立ち紛れ
娼婦さながら息子の上にまたがる女の肩を
後ろからぐっと掴んだ。
その瞬間――。
「わっ……」
不安定だった僕のウィッグが
パサリと床に落ちたんだ。
挙句――。
慌ててそいつを拾い上げようとした
僕はバランスを崩して。
「……あ」
「あなたは……っ!」
自ずから2人に素顔を晒す形で
「……ごきげんよう」
まさに地獄へ真っ逆さまさ――。
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