episode190 Take Me Higher②

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「嬉しかったんだよ――君の言葉が」 僕の唇のすれすれで 薔薇の蕾のような口元を綻ばせる。 「完全に僕の物になると言ってくれたこと」 たとえ一夜限りの気の迷いでも――と。 自嘲気に付け加えた九条さんは 「それで僕も――冒険してみようと思ったんだ」 僕の身体を壁際に隠すような形で 触れるか触れないかのキスを落とす。 「冒険って……他人のパーティーに忍び込むこと?」 「いやもっと」 「妻がありながら人前でよその女にキスすること?」 「いや」 笑みが失せると 「もっとだよ――」 王子様の柔らかな声音は 一際セクシーな深みを帯びる。
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