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曲の終わり。
目が合えば
「今すぐ君が欲しい」
「ええっ……?ここで?」
「イヤかい?」
肩先の小悪魔も
戸惑うほどの大胆さで
「死角ならたくさんあるさ」
あの九条敬が誘いをかけてくる。
「例えばそうだな。あの鉢植えの後ろとか」
「ちょっ……九条さん……!」
広いパーティー会場を見渡しながら
「ロフトになってる――あそこのソファーでも構わない」
「待って……ちょっと冷静に……!」
思春期を迎えたばかりの男の子のように
事を運べる場所を画策するんだから――。
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