episode190 Take Me Higher②

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「それじゃいっそ、非常経路を伝って屋上に出ちゃおうか?」 「いやいや、ここ70階だよ?」 どうやら 見たこともない顔を見せるのは 「ちょっと大胆すぎるかな?」 「いいや。正気じゃないだけ」 僕ではなく 彼の方だったようで――。 「いいかい、九条さん」 荒ぶるサラブレッドを宥めるように 僕は恋人の頬を撫で小声で囁く。 「ここでできるとしたらレストルームか――」 指さす先は 人気のないパーティー会場のバックヤード。 「それ以外は即刻退場だ」 だけどロマンチストの王子様は 「どっちも僕の趣味じゃないよ!」 お気に召さないご様子で。 「君にもふさわしくない」 まったく――眉根を寄せて首を横に振る。
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