episode190 Take Me Higher②

1/30
前へ
/30ページ
次へ

episode190 Take Me Higher②

「おいで――」 「待って。僕の――いや私の名前を決めなくちゃ」 「名前か」 僕らがその気になれば どこかのパーティーに忍び込むなんて朝飯前さ。 「これはこれは九条様」 「やあ。こちらは――」 高層ビルのラウンジ。 顔見知りのコンシェルに挨拶する 九条家の美しいサラブレッドは 「こちら天宮の遠縁の親友のお嬢さん――キキ嬢だ」 平然と適当言う。 「ハーイ」 「か……可愛らしいお名前ですね」 コンシェルは多少面食らった顔をして。 「キキって!」 「思いつかなかったんだよ」 「そんな名前の人間いない」 「さあ、どうぞ」 それでもにこやかに僕らを会場に通してくれた。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

173人が本棚に入れています
本棚に追加