2024年

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天使の梯子が、雲から地上へ伸びていたならば。 天使の橋が空へ伸びていたならば。 それを見た私は感動するのか。 はっ…と、その一瞬全てを忘れてしまえるのだろうか。 それは、感動と呼ぶのか。 それは、息を呑むと言うのか。 今の私に、それを表現する術はない。 なんと拙い。なんと幼い。なんと愚かな。 言葉を失って、感情を表す術も知らずに、どうやって生きていくのだろう。 稚拙な言葉を並べる己を恥じて生きていくのか。 それは生き恥で、それを晒して生きていくのが、我が人生と呼ぶものか。 言葉が欲しい。 あの梯子を降りる、あの橋を渡る、天使が居るならば。 どうか、どうか、この私に言葉を与えてはくれまいか。 9/3
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