1207人が本棚に入れています
本棚に追加
ははは……、と、俺は乾いた笑いを漏らしつつ……。
続けて、『ギース・ナイトウォーカー』の隣の墓標を確認する。
……すると、やはり最初は意味不明な謎言語の羅列だった墓標の文字は、またもや脳内で自動的に翻訳された。
(『リチャード・オールコック』……。『ロナルド・マルチネス』……。『ルーニー・スミス』……)
隣の墓標の、そのまた隣。更にその隣り。そして、更にその隣の墓標の名前まで解読した俺は、しばし呆然としつつ……。
……それでも、すぐに気を取り直して次の行動に移る。
(えっと、確か……)
確か、先ほど見たおかしな夢の中で俺は、三つの能力を自称神様から受け取っている。
その内の一つが、今の『自動翻訳』。
そして、二つ目のスキルは、向かい合った相手のステータスを読み取れるものだと説明された気がしたが……。
(その手のスキルって、ゲームとかだと意外と自分自身に対しても使えたりするもんだよな……。まぁ、ものは試しだ)
俺はそっと目を閉じると、心を落ち着けるために何度か深呼吸をした後に、胸の内で小さくスキル名を呟いた。
(『熱願冷諦』)
瞬間、頭の中に青白く光る半透明の画面が……。『ステータスウィンドウ』が表示された。
最初のコメントを投稿しよう!