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「……転生? 天国? 地獄?」
「あぁ」
戸惑いがちの杉本の言葉に、幼女は力強く頷いた。
「キミの人生の一部始終は、先ほど浄玻璃(じょうはり)の鏡で見せてもらった。それを踏まえた上で、わたしはキミの希望を聞いて、キミがこれから向かう先を決めるんだ」
「……おい、ちょっと待て。確か浄玻璃の鏡って、閻魔大王(えんまだいおう)のアイテム――」
「杉本。キミは小さな頃に不幸な出来事に見舞われて、それからは自分自身の力で必死こいて生活――」
「おい聞けや! 浄玻璃の鏡って、地獄の閻魔大王のアイテムだろ!? なんでお前が利用してんだよ」
「前に彼に借りてから、返すタイミングを失ってしまってね。でも、便利だからずっと借りパクしてる。……それで、キミは結構悪事も働いてきたようだが、子どもの頃の出来事を考えれば、やはり情状酌量の余地があると思うのだが――」
「いや、ちょっと待てよ。仮にお前が神だとして、俺はこれから確信犯の借りパク野郎に裁かれるの?」
「おい、杉本。わたしは“野郎”ではない。……これでも女の子だぞ?」
「やかましいわ! やかましいわ!」
「杉本。キミ、少し口を閉じていてくれないか? このままでは話が全く進んでいかないので困るんだ」
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