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「……あぁ、そうかい」
「まぁ、もっとも転生したからといって、前世での行いが全てチャラになる訳ではないよ。これまでにキミが積み重ねてきた善行と悪行が天秤に掛けられて、それらの総合的な割合によって、来世でのレベルや身分や種族や、転生した時の状況が変わってくるんだ」
「転生先ってレベル制なのかよ……。っていうか、うわっ。マジかよ。だったら俺なんかアレだな、レベルは3で、身分は貧民で、生まれつき悪魔とかに取りつかれてる病弱なガキとかじゃねぇの?」
「さぁ、どうだろうね。全てはキミのパラメーター次第さ」
ちょっとワクワクし始めた杉本とは対照的に、幼女がドライな口調で流しつつ、
「まぁでも、杉本の事だからどうせロクなものに転生はしないだろうし、そもそも今のままのキミを異世界に放り出すのも不安があるから、あらかじめ、わたしの方からいくつかプレゼントをしておくよ」
ぱちんっ!
幼女が器用に指ぱっちんをした直後、杉本の体をキラキラした光の粒子が包み込んだ。
「うおっ!? なんだこれ!?」
思わず動揺する杉本に、幼女は片手の指を三本立てて、彼の目の前へと突き付けつつ、
「プレゼントは、合計で三つのスキルだ。一つ目は、異世界の言葉を理解出来る『自動翻訳』。二つ目は、向かい合った相手のステータスを読み取れる『熱願冷諦』。三つ目は、いつでもわたしとテレパシーでお喋りが出来るようになる『以心伝心』だ」
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