1207人が本棚に入れています
本棚に追加
「……そうだな。正直、俺は今でも自分の身に起こってる事が理解出来てなくて、色々と困惑してるんだが……。とりあえず、今後お前の事は『ちぃちゃん』って呼ぶ事にするわ」
「ちぃちゃん? それは、可愛いらしくて良い呼び名だが……。キミは、そんなにわたしの事を神と呼びたくないのか?」
「まぁ、それが一番の理由だな。ちなみに、ちぃちゃんの由来は小さいおっぱいのちぃ――」
カッ!
一瞬、杉本を中心に広がっていた魔法陣がまばゆく輝いたかと思ったら、次の瞬間には、今まで立っていたはずの杉本の姿は跡形も無くなり、魔法陣も消滅してしまった。
「……行ってしまったね、杉本」
ため息交じりの声音で、女の子が……。
……いや、生と死と転生の女神、ちぃちゃんが呟くのと同時に、再び生と死の狭間の空間に静寂が訪れた。
(……これから先、キミがどのような道を辿るのかは分からないけれど、わたしはいつでもキミの健闘を祈っているよ)
ちぃちゃんはそっと目を閉じながら、異世界へと転生していった一つの魂へと、そっと思いを馳せたのだった。
最初のコメントを投稿しよう!