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☆
…………何ともおかしな夢を見た。
自分が不慮の事故で死んだかと思ったら、いつの間にか訳の分からない世界へと飛ばされていて、そこで神様を名乗る女の子と言葉を交わして、転生する事になって……。
(……何だったんだ? いったい…………)
俺は、自分の身に起きた出来事を反芻(はんすう)して、しばし呆然としつつ……。
それでも、いつまで考えていても埒(らち)が明かない白昼夢のような出来事から早々に思考を切り上げると、いい加減に現実を見つめ直す事にした。
(……で、ここはいったいどこなんだよ)
ふと気が付いたら、俺は妙に閉塞感を感じる暗闇の中で横になっていた。
おもむろに周りへと手を伸ばすと、肘(ひじ)が伸びきらない内に壁のようなものに阻まれてしまう。
「なんだこれ……」
なぜか湿った土の臭いのする狭い空間の中で、誰にともなくぼそりと呟いた俺は……。
ドン! ドン! ドン! バキッ!!
とりあえず、自分の周りを覆う壁らしきものを破壊しにかかった。
真っ暗な中で、力任せに殴る蹴るを繰り返していたら、その内に、木の板のような質感の壁が少しずつ壊れ始め……。
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