1207人が本棚に入れています
本棚に追加
体の感覚というか、神経というか……。
なんと説明したらいいのか自分でもよく分からないものの、とにかく言い知れない気持ちの悪さをずっと感じ続けている。
……まるで、急に体の構造が変わってしまったみたいに…………。
(いったい、何がどうなって……)
心の中で呟きながら、ふと、自分の手元に視線を落とした……次の瞬間。
「あぁっ? なんだこれ……」
俺は、おもむろに下向けた視線の先に、“青白く変色している自分の腕”を認めた。
「…………」
それこそまるで、ホラー映画に登場するお化けやゾンビみたいな具合になっている腕を、しばしの間観察し続けた俺は……。
「っ!」
ふと思い至って、慌てて自分が這い出してきた棺桶のすぐそばに立っている十字架に近付いた。
そして月明かりを頼りに、その墓標に彫り込まれている名前に目を凝らした。
今までに見た事の無い文字で掘られていた名前は、最初こそ全く解読不能だったものの……。
しかし、しばらくじっと見つめていたら、やがてふと頭の中に、流れるように“翻訳された内容”が入ってきた。
……墓標には、こう彫ってあった。
『ギース・ナイトウォーカー』
(……おい、嘘だろ?)
最初のコメントを投稿しよう!