1207人が本棚に入れています
本棚に追加
☆
『ところで杉本。キミは前の世界でのサブカルチャーに詳しいのか?』
墓から這い出てきた杉本が、アニソンを歌いながら歩き始めて一分後。
金髪翠眼の幼女の女神こと、ちぃちゃんが彼にそんなテレパシーを送って来た。
「ん? あぁ、まぁそうだな。サブカルチャーっていうか、主にマンガ、ゲーム、小説、ラノベ、アニメとかの、オタク的な趣味は嗜(たしな)んでたわ」
『そうなのか。実は、わたしも仕事の合間なんかにこっそり嗜んでいるのだよ』
「マジかよ。ちぃちゃん悪だな」
『そういうキミこそ、学校の授業中とかには先生の目を盗んで机の下でスマホのソーシャルゲームに勤しんでいたのだろう? 知っているんだぞ?』
「閻魔大王から借りパクした浄玻璃(じょうはり)の鏡で見たんだろ? いい加減返してやれよ。地獄とか今頃おじゃる丸のアニメみたいな事になってんじゃねぇの?」
他愛の無い会話を繰り広げている内に、ゾンビとして転生した杉本の心もしだいに落ち着いてくる。
「なぁ、ちぃちゃん。今からちょっと特撮シバリのカラオケごっこやろうぜ」
『あぁ、いいとも』
「え、マジで? 半分冗談だったんだけど、ちぃちゃん特撮も分かる人?」
『わたしを誰だと思っている。生と死と転生の女神だぞ』
「それサブカル関係ねぇじゃん」
最初のコメントを投稿しよう!