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「あぁ? なんだってんだ、いきなり……」
『杉本? どうかしたのか?』
「いや、なんか急に後ろからぶっとばされてよぉ」
体中泥だらけになりながらようやく体を起こした杉本は、先ほどまで自分が立っていた場所を見やって、小さく舌打ちをした。
「……悪い、ちぃちゃん。また後で連絡するわ」
『……キミ、襲われたのか?』
「あぁ、ちょっと面倒臭そうな連中に絡まれたっぽい」
体に付いた泥をはたきながら、鋭く目を眇(すが)めた杉本の視線の先には、異形の怪物達が立っていた。
『ゲヒャヒャヒャヒャ!』
杉本を吹き飛ばした怪物たちは、不機嫌そうに表情を歪める彼の様子を確認して、耳障りな笑い声を上げる。
(……んだよ、こいつら……)
密かに胸の内で呟きつつも、杉本は怪物達に向かって女神から授かったスキルを発動させた。
「『熱願冷諦』」
瞬間、杉本の視界にモンスター達のステータスウィンドウが表示された。
『ホブゴブリンA
Lv.8
HP:189/189』
『ホブゴブリンB
Lv.9
HP:195/195』
『ホブゴブリンC
Lv.8
HP:190/190』
「ホブゴブリン……」
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