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「ほぅ……。俺をぶっとばしてくれたのは、C、てめぇか。はっ! 顔は覚えたからな! 夜道には注意しとけよ!」
ホブゴブリンCの態度が癇に障った杉本が、前世での癖(くせ)で反射的に言い返した瞬間、
『大将、あいつ人間のくせにオレらの言葉しゃべったぜぇ』
『人間じゃねぇ、ゾンビだ』
『でもぉ、今はゾンビでも、元々人間っすよね』
『うっわ、マジかよ。キッモ』
ホブゴブA→トロール→ボブゴブB→ホブゴブCの順番で、まるで動物園のチンパンジーが人語を話したみたいな雰囲気で好き勝手な事を言い始める。
(……っていうか、ちょっと待てよ。俺があいつらと一緒の言葉を喋ったって事は、俺、今『ゲヘェ……』とか『クヒクヒ』言ってんの? マジかよ……)
何気にショックを受けた杉本が、茫然と佇んでいたら、
『で、大将。あいつどうしやす?』
『ゾンビか……。面白そうじゃねぇか、お前らちょっと遊んでやれ』
『うっす』
『へ、あんな腐ったチ●コ野郎、十秒でミンチにしてやるぜぇ!』
またも、ホブゴブA→トロール→ホブゴブB→ホブゴブCの順番で言葉を交わした後、ゴツイこん棒を携えたホブゴブリン達が一斉に襲いかかって来た。
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