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……だが、
『てめぇ、痛ってぇだろうがゴルァ!』
直後、鬼のような形相を浮かべたホブゴブリンCが、激情と共に蹴りを放ってくる。
「っ!」
大技を放ったにも関わらず、相手の対して効いていない様子に杉本は息を呑みつつも、慌てず冷静に防御態勢を取る。
「はっ! 動きがまるでゴミだな! こんなんじゃ虫も殺せね――」
前世の癖で軽口を叩こうとした杉本だったが、ホブゴブリンCの蹴りが彼のガードに当たった瞬間、杉本は大きく吹き飛ばされてしまった。
ドガッ!
「ぐ、がっ!?」
(おい、なんだこれ……)
まるでイノシシにでも突進されたような凄まじい衝撃に、杉本の瞳が驚愕に見開かれる。
……そして、身をもってホブゴブリンの肉体強度、攻撃力を体験した瞬間、視界の端に映っていたホブゴブリン達のステータスウィンドウが更新された。
『ホブゴブリンA
Lv.8
HP:189/189
力:62 肉体強度:58』
『ホブゴブリンB
Lv.9
HP:195/195
力:68 肉体強度:61』
『ホブゴブリンC
Lv.8
HP:184/190
力:64 肉体強度:62』
(……んだよ、これ……。俺とやつらとで倍くらい攻撃力違うじゃねぇか)
しかも、自分の放った渾身の蹴りが、たったの6ダメージしか与えられなかった事実に杉本は愕然とする。
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