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『おぉ? あいつなかなかタフじゃねぇか』
『……っていうか、本気で蹴っ飛ばしたのに仕留めきれないとか、ダサすぎて笑うんだけど』
『あぁ!? てめぇコラもういっぺん言ってみろや!』
またもABCの順番で、各々が勝手な事を言い始める。
(連中、完全に遊んでやがる……。ふざけたモンスター共だが、純粋な戦闘力でいえば幼稚園児と高校生くらいの差があんのか……)
でも、と、杉本は続けて、
(さっきの動きを見た限りでは、俺の方がやつらよりも身のこなしは上だ。長期戦にはなるが、地道に体力削ってけばどうにかなるかもしんねぇ)
「……状況は厳しいが、やるしかねぇんだ!」
最後の一言はあえて声に出して、こんどは杉本の方からホブゴブリン達へと向かって行く。
「うおおおおおおおおォ!!」
雄叫びと共にホブゴブリンCへと突進した杉本は、真っ直ぐに相手の目を見据えながら拳を握りしめた。
『オラ死ねやチ●コ野郎!』
肉薄した杉本を迎え撃つように、ホブゴブリンCはこん棒を振り抜いた。
しかし、魔物の派手な一撃は、ひらりと身を躱した杉本には当たらない。
再びカウンター気味に、だが、今度は相手の股間を狙った杉本の蹴りが閃いた。
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