1206人が本棚に入れています
本棚に追加
「あッ、く…………ッ!?」
全く予想だにしていなかったギースの反撃に、セシリアは瞠目しながら、堪らずに膝を付いた。
(そんな、いったいなぜ……!?)
腹の底からせり上がって来る焼け付くような感覚を必死で堪えながら、咄嗟にセシリアはレッグホルスターの拳銃へと手を伸ばすが……しかし、それよりも速くギースの右足が閃いた。
ドゴッッッ!!
「――――ッ!?」
先ほどと寸分たがわない場所に重く速い蹴撃を受け、下手くそなマリオネットのような挙動で吹っ飛びながら、セシリアは今度こそ盛大に胃の中身をぶちまけてしまう。
「うっ……く、はぁ……はぁ……!」
綺麗な顔を涙とよだれと吐瀉物(としゃぶつ)で汚しながら……それでも、なおも闘志の籠った視線でギースを見据えるセシリア。
その一方で、
「クハハハ! オイオイ、今のでずいぶんと美人になったじゃねぇか、なぁセシリアちゃんよォ」
某男女平等パンチの使い手も真っ青な鉄拳制裁で、元パーティーメンバーをゲロインに堕としながら、完全に悪役なセリフを口にするギース。
嗜虐的な笑みと共に、うずくまるセシリアにゆっくりと近付くその様子は、シドにも引けを取らないほどの腐れ外道っぷりである。
最初のコメントを投稿しよう!