転生ゾンビの異世界奇譚

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 あたかも独り言のように、誰にともなくそう口にした。  そもそもの話ギースはモンスターなので、人族の常識に照らせば存在自体が罪という認識である。  加えて、『レクトル』では無辜(むこ)の人々を恐怖と混乱に陥れ、騎士団1つを蹂躙し尽くし、挙句『闘技場』を半壊させ、王都の秩序を乱しに乱しまくった。  更に言えば、前の街の『メルカ』ではあまりにも酷いイカサマを用いて賭博で荒稼ぎしたり、日常的に傷害沙汰を引き起こしたり、更にその前の『オルサ』では幼女誘拐事件を引き起こしたりと、その余罪には枚挙にいとまがない。  まさに大罪人の名に恥じない悪逆非道っぷりである。  一介のアンデットモンスターでありながら、もはや国賊と呼んで差し支えないほどの害悪を撒き散らす存在になったギースは、きっと今回の件を機に人族全体から恐れられ、同時に狙われるようになるだろう。  「大罪人……。凶悪指名手配犯……。高額賞金首……クハハ、格好いいじゃねぇか。懸賞金は100000000キールくらいか?」  宙へと視線を泳がせ、冗談とも本気ともつかない言葉を口にするギース。  そんな彼の裂けるような笑みを見上げながら、  「けんしょうきん……ギースさんギースさん。シオンはけんしょうきんいくらくらいだと思いますか?」  「50キールじゃね?」
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