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不意に遠くから響いて来た怒声に、ギース、シオン、リーザの3人はきょとんと目を丸くした。
それから、揃って呆けたような表情のまま、声のした方向へと首を向ける。
次の瞬間、ギース達の目に映ったのは赤々と燃える大量の松明(たいまつ)の明かりと……。
――そして、その明かりを手に携えたまま鬼の形相で走って来る、色とりどりの鎧を身に着けた騎士達の姿だった。
「「「…………」」」
一瞬、ギース達の間に沈黙が降りる。
「なんだこれ……」
どこか他人事のような調子で、『4016円の顔』を浮かべたギースは、傍らで同じような表情になっているシオンとリーザを交互に見つめ、そして……。
ダッッッ!!
――その直後、この場の誰よりも早く踵を返して走り出した。
「え、ちょっ、ギース!?」
「ま、待って下さいぃぃ!!」
はっとしつつ、すぐにギースの後を追い始めるシオンとリーザ。
『捕えろ!! 逃がすなァ!!』などと血気盛んに叫ぶ追手の声をスルーしつつ、リーザはどうにか全力で駆けるギースの隣へと追いすがり、しかし、
「あぁクッソ! おいリーザ! テメェがさっきフラグ立てやがったせいだぜ!? この状況はよォ!!」
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