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慌てて便座に座り、ふぅーと息を吐く。
そしてパッと顔を上げると、私は目を丸くした。
「──あー!」
思わず上げた大きな声と共に、それに指をさす。
トイレの一室の隅に置かれた、三角の棚。
その上に木材の、四角い時計があったからである。
「あった!」
私は慌ててトイレを済ませ、その時計を持ち上げた。
探していた目的の物。
しかしこの時計は時を止めたまま、動いていなかった。
電池でも切れているのかしら?
私は頭を傾げながらも、時計の底を見てみる。
だけど何もない。
裏にも何もなくて、もしかして…と。電池カバーを外してみた。
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