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ある日、私は外の世界に違和感を覚えた。
それが、なんなのか、イマイチわからないけど、とにかく見づらい。
目は良い方なはずだ。裸眼でも少し先にあるお店の看板だって見える。
ふと、私の前で自転車が悲鳴を上げて、止まった。
その自転車に乗っていた人は、中年くらいのおじさんで、
なんだか私をとても睨みつけている。
私はこのおじさんを知らない。
私は目を逸らして、逃げるように横切った。
「こわっ…」
率直な感想が地面に落ちる。
なんだか前にも、似たような事があった気が…。
そんな事を考えながら、信号待ち。
それにしても、なかなか変わらない。
私の隣にいつの間にか、大学生くらいの女の子が立っていた。
それに気づいて、ちょっとしてから信号は赤から青に変わった。
(この信号、もしかして、可愛い子だけに反応するのかしら…)
あるわけない妄想をする、自分に萎える。
信号を渡って少ししてから、いつもお世話になっている、スーパーが見えた。
中へ入って必要な物をかごに入れる…んだけど…、あれ?何が必要だったかな。思い当たる物がないか、お店の中をクルクル回る。
クルクル、クルクル…。
やっぱり、なんだか見づらい気が…。
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