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回ってみても、思い出せない。
ま、いっか。
とりあえず、晩御飯だけ、揃えることに。
といっても、出来合いのもの。料理は好きな方だけど、
最近は、作るのも面倒になっちゃってね。てへ。
かごを持って、レジに並ぼうとするが、さすが夕方。賑わい時。
最低でも4人の列に並ぶことになる。
待っている間、スマホをいじる。
一件、着信が入っていた。母からだ。
それを見て、嫌悪感にも似た想いが、私の心と頭に纏わりついた。
余計な思い出が、代わり替わり浮かび上がる。
すると、後ろから、トントンと肩を軽く叩かれた。
「へあっ!?」
思わず、変な声が出た。振り返ると、おばちゃんが、困ったような笑顔で、前を指さしている。
「前、進んでますよ」
「あ、ごめんなさい!」
慌てて私は、レジ台の上にかごを置いた。
(もう、こんな時に、お母さんが連絡入れるから…)
お会計を済ませ、スーパーを出る。
思わず、ため息も漏れ出る。
そのため息で私は気づいた。
なんか、ため息ばっかしてる気がする。
それは、悪い事のように感じて、思わず、胸を張ってみた。
私の目に青とオレンジが入り混じった空が映った。
夕日で、ちぎれた雲の表情が浮き出ている。
(空ってこんなにも綺麗だったかな…)
視界に映ってて当たり前なのに、久々に見た気がした。
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