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 レストランを出た後、僕たちはお土産が買えるショップに向かった。 「イルカとアシカ、どっちが好き?」 「うーん、イルカ」 「じゃあこれ買おう」  色違いで2つ購入し、ピンク色のイルカのストラップを彼女に渡した。  僕は、水色のイルカのストラップを自分のスマートフォンに付ける。  彼女も自分のスマートフォンに付けようとして、「あっ」と声を出した。 「どうしたの?」  聞いても答えてくれず、代わりにスマートフォンに何かを打ちこんでいる。  そして嬉しそうに画面を僕に見せた。  見せられたホーム画面の下側に、メモ帳アプリの付箋が貼られている。 『お揃いのイルカのストラップ=大切な人』  顔がじわじわと熱くなっていく。 「こう書いておけば、あなたと出逢ったこと忘れません」  そう言って笑う彼女が愛おしくて、僕は思わず抱きしめた。 「明日、品川駅で再会しよう。必ず会いに行くから」
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