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彼女の家の前に到着した。
彼女は眉間に皺を寄せ、何かを考えているように見える。
「どうかした?」
「あっ、いえ……」
僕は少し遠慮しながらも、そっと抱き寄せた。
「あっ」という声が腕の中から聞こえた気がして、力を緩める。
「……明日、品川駅で再会しましょ」
口にしたのは彼女。
「それ……」
「会いに行きます、必ず」
目尻を下げて笑う彼女の唇の間から白い歯が覗く。
僕は微笑み、言った。
「うん、待ってる」
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