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 ――3ヵ月後。 「明日は横須賀に行きたい! あと葉山マリーナも! 行った友達がすごく良かったって言ってたの」  次々に行きたい場所が出てくる。  思い出として心に残らなかった時間を取り戻すかのように。 「いいよ。行きたいとこ全部行こう」 「うん……」  今まで笑っていた彼女は、突然真剣な顔で言った。 「……ねぇ。もし私がまた記憶を無くしちゃったらどうする?」  僕は迷わず答える。 「また新しい思い出を作るよ。それが1週間だけのものだったとしても」  彼女は幸せそうに目を細めた。 「……ありがとう。あっ、明日何時待ち合わせにする? 電車の時間調べてみるね」 「じゃあ僕は近くにいいレストランがないか見てみるよ」  2人同時にポケットからスマートフォンを取り出す。  ピンクとブルーのイルカのストラップがぶつかって、短く高い音がした。
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