怪談語り~夏休み編

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 これを元に戻さないとどうなると言っていた?  付きまとうと言っていたか?   そのときドンッとドアを強く叩かれたような音がし鼓動が跳ね上がる。なんだなんだと思っているうちに窓がバンッと鳴り、ドンドンドンとドアを誰かが叩いています。  彼は恐怖のあまりパニックになり、やめろやめろと叫んでいました。夢中で耳を塞ぎ叫んでいたが、気づくと音はやんでいたそうです。  石を拾った彼は取るものも構わず部屋を飛び出すと、バイクに跨がり川へと走らせ、石を元の場所に戻したそうです。それからは異変は起きていないそうですが、もう二度とあんな思いはしたくないと言っていました。  そうそう、彼にアドバイスをした友人なんですけどね、それ、僕なんです。川には古い墓石が水流で削られたりして原型をとどめないものが流れてきます。ですから安易に石を拾わないでくださいね。その石には何が憑いているのかわかりませんから。では、僕の話はこの辺で。
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