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第一章‡いつもと違う夏
あの夏はいつもと違う夏だった。
僕は夏休みになると毎年、二週間くらいおばあちゃんの家に行く。
もう今年でそれも十回目。
五歳の頃から一人で新幹線に乗って行っているのだ。
片道二時間の新幹線の中は最高に暇で最高につまらない。
けれどおばあちゃんに会える喜びと、僕の住む都会には無い自然の触れ合いに胸が踊って待ちきれないのだ。
「早く着かないかな~…」
窓の外をボーっと眺めながら呟いた。
新幹線を降りた後はバスに乗る。
30分もバスに揺られればいつの間にか景色は自然がいっぱいの世界。
また此処で過ごす二週間。
何かが起こりそうで楽しみだ。
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