【HARUHI SIDE 真実】

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やっぱり無理をさせたかと思った。 俺の気持ちをぶつけるばかりで沙紀さんの気持ちを考えてやれなかった。 けれど沙紀さんから出てきた言葉は俺の中にまだ少し残っていた冷静さを奪った。 人には言えない何かを抱え込んでいるんじゃないかってーーー 確信を突かれそうになった俺は焦って沙紀さんに思わず酷い事を言ったんだ。 おまけに志賀さんの名前まで出されて……つい、カッとなった。 情けないよな。 誰かにこんなにも自分の感情をさらけ出すのは物心付いた頃から一度もない。 初めての事だった。 戸惑った俺はその場から去った。 それ以上、そこにいても沙紀さんに何て言えばいいのか分からなかった。 何を言ったとしても傷つけるしかないと思った。 俺は 子供の頃と変わらない 意気地なしだ。
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