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「父さん、全ての女性と母さんを重ねるのはやめて下さい。母さんがこの家を出て行ったのにもちゃんとした訳があるからじゃないですか。」
「ちゃんとした訳?男を作って子供を置いて出て行った事がちゃんとした訳なのか?」
「それは………」
「女なんてみな、同じだ。どんなに思い合ったとしても女は裏切る生き物だ。それに引き換え金は裏切らない。金こそがこの世の全てを支配する。」
何を言っても無理だなと思った。
だけど、このまま引き下がる訳にはいかない。
「彼女は俺の事、信じてくれています。俺もその気持ちは同じです。だから、これ以上、父さんに協力はーーー出来ない。」
これ以上、話す事は何も無い。
書斎から出ていこうとドアに手をかけた時
「好きにすればいい。お前もあの女と同じ様にどこへでも行けばいい。」
後ろから掛かった声を振り払うかの様にそのまま部屋から出ていった。
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