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何とも言えない虚無感が俺を襲っていた。
きっとこうなる事は予想がついていたし、父親が言った言葉も想定内だ。
なのにーーー
心が空っぽになるような感覚は何処から来るのだろうか。
全身がめちゃくちゃ重くて、引きずるような思いで家に向かう。
その時、俺のスマホがまたバイブする。
「チッ……まだ文句があるのかよ……」
どうせ父親からだろうと着拒否してやろうかと画面を見ると思いもよらぬ人物からだった。
「珍しいね、おじさんから電話なんて。」
それは俺が会社で色々と気さくに話をしたりしている清掃員のおじさんからの電話だった。
「えっ、これから?良いよ。多分、20分くらいで着くと思うから待ってて。」
おじさんから電話なんて珍しいな。
丁度いいや。
父親とちょっとやりあったって話を早速聞いてもらおう。
このまま誰もいない家に帰らなくて良いんだと思うとほんの少し心が軽くなったような気がした。
俺はおじさんの待つ店までの道のりを急いだ。
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