【HARUHI SIDE 迷いと決断】

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岩崎さんに言われた通り、例の金儲けの本ばかりある本棚を適当に物色する。 けれどどれもこれもが経済書や経営学論といったくだらねぇ物ばかりで。 取り敢えず、ここには来たことだし岩崎さんのいう事も聞いた訳だからもう良いだろと手に持つ本を棚に戻そうとした時 ふと違和感のある一冊が目についた。 背表紙に何も書かれていない本だ。 何となく気になってそれを手にとって見る。 本と言うよりは厚手のノートだった。 表紙を捲るとーーー 中には古ぼけた写真が何枚も貼ってあった。 「なんだよ………これ。」 そこには俺の子供の頃の写真が何枚か貼ってあり、写真の横には少しコメントが書かれてあった。 陽日、3歳の誕生日 母親の事は早く忘れて すくすくと育ってくれるといいのだが… 何よりも健康を願う 陽日、4歳、入園 何とか都合を付けて出席するも 一時間ほどで退席 後は岩崎に任せる 母親のいない入園式を不憫に思う 「これって……俺の写真ばかりじゃん……」 沢山の枚数がある訳じゃないけれど節目ごとに必ず写真が貼ってあった。 ページをパラパラと捲っていくと……… 陽日、5歳、遊園地にて 陽日が迷子になりヒヤッとする 仕事の為、仕方なくその場を後にするが 岩崎より直ぐに見つかったとの 連絡を受けホッとする 次こそは一緒に楽しめるといいのだが…… マジかよ………
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