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何かが吹っ切れた。
オレの気持ちも体も軽くなり。
あれからユヅルを更に近くに感じている。
ーー 春
3年生の校舎の掲示版にクラス編成の紙が貼り出されている。
Aクラスから順番に見る。
Bクラスですぐに目に入って来たのが…
秋山弓弦
ユヅルはBクラスかぁー
視線を下に移すと
黒沢雅美
あ! オレもだ…って顔がニンマリする。
更に下には、
高原良樹…タカの名前もあった。
へー。やった。…独り言を言うオレ。
3人一緒って事にちょっと驚いたけど
一緒になれた事が嬉しかった。
タカはオレの気持ちを理解してくれる。
何気に的を得たアドバイスなどもくれたりする。
肩を叩かれ振り返るとタカが後ろに立っていた。
『貼り紙を見て 何を眉を寄せたり、ヘラヘラしたりしてるんだ』って。
ヘラヘラとか言う前にオレに気が付いたなら
もっと早く声掛けろよって思いながら…
「ヘラヘラなんてしてないよ。また3人一緒で嬉しくなっただけだよ」
『…本当はまた、ユヅルとふたりの方が良かったんじゃないのか』だって。
「バカ言うな。オレはタカも好きだよ」
『マサミ。誰を好きだって』
更に後ろからのユヅルの声に跳び上がるオレ。
いやいやいやー
ほんとーに驚いて勢い良く振り返る。
そんなオレを見たユヅルは、
その驚き方は異常だな… って目を細める。
オレらふたりを見て笑うタカ。
この1年間、根拠のない不安を感じる…
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