3年生

2/7

125人が本棚に入れています
本棚に追加
/58ページ
何かが吹っ切れた。 オレの気持ちも体も軽くなり。 あれからユヅルを更に近くに感じている。 ーー 春  3年生の校舎の掲示版にクラス編成の紙が貼り出されている。 Aクラスから順番に見る。 Bクラスですぐに目に入って来たのが… 秋山弓弦 ユヅルはBクラスかぁー 視線を下に移すと 黒沢雅美 あ! オレもだ…って顔がニンマリする。 更に下には、 高原良樹…タカの名前もあった。 へー。やった。…独り言を言うオレ。 3人一緒って事にちょっと驚いたけど  一緒になれた事が嬉しかった。 タカはオレの気持ちを理解してくれる。 何気に的を得たアドバイスなどもくれたりする。 肩を叩かれ振り返るとタカが後ろに立っていた。 『貼り紙を見て 何を眉を寄せたり、ヘラヘラしたりしてるんだ』って。 ヘラヘラとか言う前にオレに気が付いたなら もっと早く声掛けろよって思いながら… 「ヘラヘラなんてしてないよ。また3人一緒で嬉しくなっただけだよ」 『…本当はまた、ユヅルとふたりの方が良かったんじゃないのか』だって。 「バカ言うな。オレはタカも好きだよ」 『マサミ。誰を好きだって』 更に後ろからのユヅルの声に跳び上がるオレ。 いやいやいやー ほんとーに驚いて勢い良く振り返る。 そんなオレを見たユヅルは、 その驚き方は異常だな… って目を細める。 オレらふたりを見て笑うタカ。 この1年間、根拠のない不安を感じる…
/58ページ

最初のコメントを投稿しよう!

125人が本棚に入れています
本棚に追加