3年生

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ベッドに寝転がったままのユヅルが、 「…初めてマサミに触られて オレもちょっと、早かったな」 って苦笑いをする。 マサミの手…すんげー気持ちよかったって。 オレは、ちょっと嬉しかった。 毎回オレはユヅルの手によって、 ほんとーに気持ちよくされて、 どうしていいか解らない程、体中が疼き 意識が飛ぶ瞬間に解放される欲求。 ユヅルには言えないけど、 ほんとーに言えないけど、 家に帰りユヅルにされた事を思い出して 体中が満たさた快感に包まれ また火照り出す体。 そんな体を持て余し自分でする事もあるオレ。 そんな悦びをユヅルも感じてくれたらオレは嬉しい。 こんな事がオレたちを強く結び付ける。 オレはそばに居たいと思う。 もっともっとユヅルと居たいと思う。 だから大学の事も  先の事もちょっと考えようと思う。 ーーー 朝。 下駄箱で靴を履き替えていたら、 後ろからドンと体当たりをされて 下駄箱にぶつかるオレ。 振り返るとタカがニヤっと笑い。 どうだった…昨日。 ちゃんとヤッてやれたか…って 興味津々に聞かれる。 途端に顔が熱くなるオレ。 すかさずタカは、 「おー。赤い顔して、どうした」 ってからかい出す。 そこへユヅルがやって来た。 「…はよー」 下駄箱の前に突っ立たままのオレたち。 そこ邪魔だよって押されてるオレ。 「ユヅル。機嫌いいな…昨日気持ちいい事 ヤッてもらったか」 ってユヅルにも聞くタカ。 こんな所でやめろよってひとりで焦っていると   そんな事を全く気にしないふたりは、 「…あぁ やっとな。口でしてもらったわ…」 って。 それを聞いたオレは頭を左右にブンブン振って、 『………く、口でなんかしてないだろー』 ってデカイ声で…言った。 周りに居た生徒がオレに振り返る。 オレは赤面して俯き小声で、 『口でなんて…してないだろ』 ってもう一度言った。 間を置いてタカがゲラゲラと笑い出す。 オレの顔に近づき、 「口じゃ 無いけどしたんだな」 ってニヤリと笑った。 だからユヅルとタカが揃うとヤなんだよって思う。 心の中で…ひっそりと思う。
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